橋本畳店

畳は天然の空気清浄機

相談中

ご近所の老舗店の奥さま「Aさん」
Aさんはお部屋のリフレッシュのために畳みの表替えをお考えです。
そこで、「橋本畳店・三代目・橋本守雄」に畳についていろいろと質問をしました。

三代目 橋本守雄も一級技能士や職業訓練指導員などの資格を持つ技術に通じた職人です。
さてAさん失敗しない畳選びのポイントを聞き出せるか。
お楽しみください。

Aさん
畳自体は誰でも知っているものですけど、畳のことって案外わか らないことが多くて。例えば私が自宅の畳を替えようと思ったら、まずどこに相談すればいいんですか?
店主 橋本
「餅は餅屋」というように、やっぱり畳に関することは、きちんと店をかまえている畳屋に相談しするのが一番だと思います。独特の縫着技術を必要とするものですので、畳屋にしか、畳替えの作業はできません。どこに頼んでも結局は私共のところに話が回ってきますからね。
Aさん
なるほど。ところで、「畳の替え頃」ってあるのでしょうか?
店主 橋本
今は昔と違って人寄せのある機会などが減っていますので、キズついたり汚れたりしない限り、なかなか「今だ」というきっかけは少ないかも知れません。
しかし、使用状況にもよりますが、5年程度での「表替え」「うら返し」15年程度での「新畳替え」をおすすめしています。
畳だけではなく襖、障子などを定期的に張り替えて繕ってあげるということが、面倒でもある反面、日本家屋の持つ良さでもあるわけです。
Aさん
そのように畳を替えると部屋が明るくなったり、イグサ独特の香りが部屋に広がったりと、気分も一新できますよね。
ところで畳替えって、いくらくらいするものなんでしょうか?とても高価なイメージがあるのですが。
店主 橋本
いえいえ(笑)ゴザと縁のみを取り替える「表替え」ですと、どこのお店でもだいたい一畳あたり6000円〜1万5000円程度が相場だと思います。
業務用に極端に安い価格はありますが、一般家庭では使いませんし、そのようなものをすすめる業者は、怪しいと思ったほうがいいかも知れません。お茶室などこだわりのお部屋は高級品をおすすめしています。
Aさん
ピンからキリまでなんですね畳も。
値段によってどういう違いがあるのでしょうか?
店主 橋本
とても良い質問ですね!一枚のゴザに使われるイグサの本数や、産地、織り糸や畳縁の種類などによって素材の値段が変わってきます。これに畳職人の「手間賃」と「技術料」がプラスされます。
Aさん
長い期間使うものなので、せっかくなら良い畳にしたいと思うのですが、ズバリよい畳とは、どのような畳なのでしょうか。
店主 橋本
それではズバリお答えいたします。
よい畳とは「丈夫で色変わりが良い」ということです。実は畳が青いのは、はじめのうちだけ。日に焼けてからの方が使う期間がずっと長いわけですから、均一に美しいアメ色に変化していくようなものが良いとされています。
そして皮がむけにくく、丈夫なことが「良い畳の条件」とされています。
Aさん
今日、持ってきていただいたこの畳表(ゴザ)がそうなんですね!
店主 橋本
そうなんです。こちらは「梔子(くちなし)」という畳表(ゴザ)です。本当に丈夫ですし、とにかく綺麗に色が変わるんですよ。今までは畳屋の間でさえもイグサの産地で善し悪しを決めていましたが、それですと基準が曖昧です。
そこで産地などの偏見を捨てて「良い畳とは何か」という本質だけを考え抜いてここに行きつたのが、この「梔子(くちなし)」です。品質とコストパフォーマンスとても良い畳表です。
Aさん
この「梔子(くちなし)」なら、色の変化も楽しめそうですね。愛着が湧いて小まめにお手入れもしそうですし。いやぁ納得がいきました。いろいろとご指南いただいてありがとうございました。